岸辺露伴 -高橋一生
泉京香 – 飯豊まりえ
大柳賢 – 柊木陽太
京香と打ち合わせ中のところに、漫画『ピンクダークの少年』を持ったファンの少年(大柳賢:柊木陽太)が突然尋ねてきた。露伴は「仕事場にいきなり来るのは良くないね」と言って少年を追い返してしまうが、再び現れた少年は、やぶから棒にジャンケン勝負を露伴に挑むのだった。露伴の行く先行く先に現れては、執ようにジャンケンを挑んでくる少年の目的とは?
https://www.nhk.jp/p/ts/YM69Q8456J/episode/te/ZNNY97QVGP/
※全てネタバレです。※
露伴は二度ほど大柳賢とジャンケンをして勝利する。ガキを負かすことに喜びを感じる大人気ない岸辺露伴。
三度目の対戦で露伴はついに大柳賢に負けてしまった。負けた途端、身体に不調を感じる露伴。
露伴は再びヘブンズドアを使い大柳賢に【岸辺露伴を攻撃できない】と書き込む。ページを捲っていくと大柳賢はホットサマー・マーサの丸が三つじゃなかったことを相当受け入れられないようだった。とにかく『3』という数字にこだわっている。
大柳賢の狙いは、ジャンケンで露伴をコテンパンにして漫画を書けないようにすること。
「こんなキャラを描くあなたを僕は許さない。あなたはもう漫画を描いたらいけないんだ、だから僕はあなたに勝つ。ジャンケンで勝つ」
大柳賢いわく、ジャンケンは確率ではない。ジャンケンで勝つということは心の力で勝つということ。ジャンケンで岸辺露伴に勝てば、岸辺露伴の精神に勝ったということになる。
「僕はあなたを乗り越えます」
大柳賢に書き込んだはずの【岸辺露伴を攻撃できない】が【岸辺露伴を攻撃できる】に変わった。大柳賢はヘブンズドアを動かした。
大柳賢はいまさらジャンケンのルールを説明してきた。勝負は3本ルール。あと2回露伴が負けたら露伴はもう漫画が描けなくなる。さらにジャンケンに一度負けている露伴の力は三分の一の力を大柳賢に奪われている。
さらに次の勝負で露伴は大柳賢に負けてしまい、二勝二敗へ。同点に追い込まれてしまった。
大柳賢は自信満々だった。彼は二敗した後に二勝している。一方、露伴は二勝した後に二敗している。露伴は勝負の下り坂にいる。
露伴はそんな大柳賢に駆け引きをする。
「次の勝負、君は決してパーは出さない」
下り坂にいる露伴が、二回続けて負けているグーを出すはずない。そして、露伴を下り坂と言った大柳賢がパーを出すもずない。パーを出したら露伴が下り坂じゃないと認めることになるからだ。しかし、次の勝負で、大柳賢はパーを出した。露伴もパー。あいことなる。さらに続けてあいこ。
一旦、休戦し、大柳賢は運試しをして自分の強運を確かめ始めた。確かに彼は強運だった。
勝負再会。岸辺露伴はパーを出すと宣言する。
「他人を負かすってのはそんな難しいことじゃないんだ。もっとも難しいことは。いいかい。もっとも難しいことは、自分を乗り越えることさ。僕は自分の運をこれから乗り越える」
ジャンケン開始。
露伴はホットサマー・マーサが表紙のピンクダークの少年のコミックスを前に出し、パーを出す。大柳賢はグー。露伴の三勝二敗で勝利。
大柳賢は丸が4つのホットサマー・マーサを恨むあまり、ホットサマー・マーサを目にすると右手を握りしめて怒りに震えていた。露伴はその習性をジャンケンに利用した。
大柳賢は自分の強運を頼った。露伴は自分の力で運を変えた。自分を乗り越えるということはそういうことなのだと露伴は言う。
その後、大柳賢は再チャレンジしてきたが、次のジャンケンでも露伴の勝利。
露伴は泉京香と愛犬の散歩をしながらおさらいする。エピソード7の神主親子の話から四つ辻に住んでいる魔物に取り憑かれたのではないかと推理。
露伴を好きにななったきっかけでもあるエピソードが実写化されて嬉しい。
主人公サイドを推してる者としては、ジョジョ本編での露伴初登場の印象は最悪。ビジュアルとスタンド以外はいいところが見つからなかった。
それがジャンケン小僧のエピソードから名言が増えどんどん増え「こいつなかなかアツいやつじゃん」と思うようになり、今では大好きに‥。露伴は噛めば噛むほど味が出るタイプ。
特に「他人を負かすってのはそんな難しいことじゃないんだ。もっとも難しいことは。いいかい。もっとも難しいことは、自分を乗り越えることさ。僕は自分の運をこれから乗り越える」というセリフは、ジョジョ全部の中でも三本の指に入るほど好きな名言。
不運で挫けそうになった時とか、このセリフを思い出して元気もらってる。このセリフで露伴を好きになったと言っても過言ではない。
私にとって露伴先生を好きになったキッカケでもある回が時を経て実写ドラマ化されただけで嬉しいのだが、ドラマのアレンジ方法がナチュラルでクオリティの高さに驚かされた。
大柳賢はジョジョの世界ではいつの間にかスタンド使いになった少年だが、ドラマではスタンドは四つ辻に魔物に取り憑かれたせいで得た能力にアレンジされていた。この自然なアレンジ力‥流石としか。
ドラマの世界では露伴のスタンド(ヘブンズドア)は「ギフト」に変更され、露伴以外にはギフトを持つ人間はいない模様。2021年の「ザ・ラン」「背中の正面」「六壁坂」も寄生型の怪異にアレンジされていて、小林靖子さんは本当に話をまとめるのがうまい。(しかし今回の脚本は渡辺一貴さんで、小林さんは脚本協力だけみたい。)
実写で大好きな名言が聞けたのは嬉しかったし、脚本のアレンジもよかったんだけどごめん。ぶっちゃけ微妙だった。
申し訳ないが、実写「動かない」の中で「背中の正面」の次につまんなかった。やっぱりジョジョ本編を「動かない」でやるのは無理あるようだ。いくら脚本の力でスタンドを怪異とか魔物にしても、原作の面白さにはかなわないっすわ。しかもジャンケン小僧回はコミカルさが売り。実写動かないの暗めの雰囲気とゆったりしたテンポにはマッチしなかった。
とまぁ、原作ファンの感想でした。これが初見だった人は楽しめるのかも。
最後、泉ちゃんが海外匂わせ発言してたから続編もあると思う。来年は「懺悔室」「岸辺露伴ルーヴルへ行く」「岸辺露伴グッチへ行く」あたりを実写化するに花京院の魂をかけるぜ。