ゴールデンカムイ14巻では、ついに網走監獄へ潜入。のっぺらぼうとの対面を目の前に、杉元勢、土方勢、第七師団の三大勢力が対立!さらに700人の凶悪犯が解放され怒涛の展開に!
- 犬童典獄は、門を破って突入してきた第七師団を十字砲火で撃退するつもりだったが、第七師団は駆逐艦で塀を爆破。降参した看守も躊躇なく撃たれる。
中央には事後報告で十分。こんな田舎に調べに来るわけないので言い訳はテキトーでオッケー。証言する監獄側の人間も皆殺しにするので問題なし。この鶴見中尉の悪党っぷりは痺れる‥。常識的な月島軍曹との温度差がいいっすね。
第七師団が門から突入してくると思ってる犬童典獄はまだまだ。駆逐艦は予想外すぎるが、丁寧に正門から入ってくるほど第七師団は甘くないでしょ。
- 第七師団VS網走監獄看守の戦争が開始する。とは言っても看守は看守なので、第七師団が優勢。杉元と白石がいるのっぺらぼうの独房まですぐに辿り着けた。
死亡フラグ的な台詞の直後にアッサリ生還する牛山さんカッコ良すぎた。
監獄内の戦いでは第七師団の圧勝すぎて流石に看守が可哀想。日露戦争帰りの軍人に囚人を見張ってるだけの看守が勝てるはずないんよ‥。降参しようとしてる人まで殺されちゃうし、やっぱり鶴見中尉はエゲツない。
- 独房ののっぺらぼうが偽物のことは門倉も土方も知っていた。土方はアシㇼパを杉元と引き剥がしのっぺらぼうに会わせるつもりだった。アシㇼパは杉元を助けたいが、土方にうまく言いくるめられてのっぺらぼうの元へ向かう。
- 再会した鶴見中尉と杉元withのっぺらぼう。しかし二階堂が暴れたので独房に避難する杉元たち。その隙に宇佐美に襲われていた門倉が、一斉開放装置で700人の凶悪犯を開放。第七師団VS700人の凶悪犯の戦いが始まる。
- 独房に戻った杉元白石のっぺらぼう。白石は関節を外して床下から脱出。杉元は関節を外せないので、白石にアシㇼパさんを託す。正門で待ち合わせする。
上司のお話中に杉元を攻撃する二階堂。最高に狂ってて好き。しかも偽のっぺらぼうはこれで死亡。本物だったらどうするつもりだったんだ。笑
門倉部長が一斉開放放置で凶悪犯700人を開放。杉元と第七師団の戦いは一旦お預けで、第七師団63名VS巨悪犯700人の戦いになる。もうカオス。
数で考えたら63名対700名で囚人の圧勝だが、第七師団は戦争帰りの上に武器持ち。囚人は凶悪犯と言えど武器なしだしなぁ。どれくらいの凶悪犯なのかは分からないけど、白石レベルの罪の囚人もいるなら強制的に戦いに巻き込まれて可哀想だわ。

ちなみに実際の網走監獄には一斉開放放置はなかったらしい。
- 土方からのっぺらぼうは教誨堂にいるとを聞き出したアシㇼパは、逃走しキロランケと白石と再会。白石はアシㇼパに土方の思惑を説明し、キロランケが杉元とのっぺらぼうを正門まで連れて行くことになった。
- 独房の外まで来たキロランケは手投げ弾で杉元を救出。杉元は教誨堂に向かい、キロランケは白石だけで手薄な正門で待つことに。キロランケはアシㇼパにのっぺらぼうに見せろと渡されたマキリを杉元に託す。キロランケと別れた杉元はすぐに二階堂に見つかり戦闘開始。
- 土方と都丹は犬童を追って教誨堂に向かう。都丹は気絶し、土方VS犬童の戦いとなる。
この機会に杉元とアシㇼパを引き剥がすつもりだった土方、エグいよな。
アシㇼパを使ってのっぺらぼうから金塊の情報を聞き出して、アシㇼパを北海道独立の戦争に利用する。第七師団が来たのは誤算だが、うまくいけば杉元は網走監獄に置いていくつもりだったってことだよね。過保護の杉元がいなければアシㇼパを動かしやすいもんなぁ‥。
土方さん最後までカッコいいキャラだったけど、杉元とアシㇼパを引き剥がそうとしたことだけは許せん。
- 二階堂は仕込み銃で杉元にトドメを刺そうとするが、義足をへし折られて自分の手首に命中。杉元の勝利。
- 土方と犬童の鎖デスマッチは、土方が自らの血で犬童の視界を奪った隙に一撃勝利。
二階堂のバトルは毎回カッコよくて好き。不謹慎だが、足が義足になってから更にバトルが面白くなった。稲妻強盗に仕込み銃で攻撃したとこも痺れた。(あれは月島のおかげだが)
しかし今回はその仕込み銃を逆に利用され手首を失う。杉元の順応力が半端なかった‥。
杉元には死んでほしくないが、二階堂は応援したくなるキャラなんよなぁ。いつか復讐果たせるといいな、と思いながら見てしまう。
土方VS犬童は、因縁の対決のはずだが、説明セリフだけで話が進んで入り込めなかった。土方と犬童の過去編を3ページでも入れてくれれば感情移入できたのだが、流石にそこまで尺は割けなかったか。
ちょっと物足りない戦いだったけど、自分の血で犬童の視界を悪くして一撃を喰らわせる展開はカッコよかった。犬童の目に血をぶっかけたのは、硫黄山の外役で視力を失い殺された囚人達への弔いなのかなと思ったり。
- アシㇼパと白石は、谷垣、インカㇻマッ、牛山、夏太郎、キロランケと再会。インカㇻマッは屋根の上に登って教誨堂の様子を見渡そうとする。
- 土方と犬童がやり合っている間にのっぺらぼうは杖をついて逃走していた。そんなのっぺらぼうを杉元が発見。マキリを見せるとすぐにアシㇼパの名前を出した。やはりのぺらっぼうはアシㇼパの父親だった。杉元は娘を争いに巻き込んでいるのっぺらぼうに説教。しかしのっぺらぼうは「私の娘はアイヌを導く存在」だと。
- 屋根の上に登っていたインカㇻマッは、のっぺらぼうと杉元を発見。アシㇼパに知らせる。
ついにのっぺらぼう発見!
足の腱を切られてるのに杖で逃亡するとは流石ウイルク。そしてアシㇼパちゃんの実父でもしっかり説教してくれる杉元、ありがとう(´;ω;`)
ゴールデンカムイの世界では、杉元よりウイルク寄りの意見が多いからビックリする。子どもを戦争に巻き込むことを否定する人間が少なすぎるんよ。
しかし時代背景的にそんなこと言ってられないのも事実。国や民族の存続をかけての戦いなんだから、現代の私たちの甘い価値観でウイルクを批判するのも違うかなと。
正しい正しくないは置いといて、一読者としてアシㇼパさんの幸せを心から考えてくれる杉元の存在に救われてる。
- アシㇼパは屋根の上からのっぺらぼうを確認。間違いなく自分の父親だった。しかし、目があった瞬間、のっぺらぼうは尾形に狙撃されてしまう。一緒にいた杉元も撃たれ二人は倒れる。
- インカㇻマッはアシㇼパに逃げるように告げる。のっぺらぼうが死に金塊の謎を解く鍵はアシㇼパだけになった。みんながアシㇼパを巡って殺し合いになる。
衝撃的すぎた。せっかく再会したのっぺらぼうが射殺され、更に杉元まで撃たれる。そんで撃ったのは尾形。情報量が多すぎる。全読者がどよめいたでしょう。中盤で一番読者のボルテージが上がったシーンじゃないだろうか。
そしてアシㇼパを逃がそうとするインカㇻマッ。杉元もだけど、インカㇻマッもアシㇼパちゃんのこと考えてくれてる数少ない大人なんだよなぁ。
インカㇻマッの目的はのっぺらぼうの正体を知って過去と決別すること。谷垣と未来に進むつもりなので埋蔵金にも興味がない。つまりインカㇻマッは心からアシㇼパを心配してるんだよね。最初は怪しい女狐だと思ってたけど、このシーンで完璧に好きなった。
- 釧路での借りがあるので谷垣は杉元を助けに行く。尾形の狙撃は続いたが、なんとか杉元とのっぺらぼうを背負って戻ってきた谷垣。すでにアシㇼパらは消えていてインカㇻマッが倒れていた。腹にはキロランケのマキリが刺さっている。絶望する谷垣の前に鶴見中尉率いる第七師団が現れた。
- キロランケ、尾形、白石、アシㇼパの四人は船に乗って逃走。尾形はアシㇼパに杉元とのぺっらぼうが死んでいるのを近くで確認したと伝える。
- 杉元、谷垣、インカㇻマッ、家長派第七師団に捕まる。が、みんな利用価値があるので無事。杉元もインカㇻマッも一命を取り留めた。
釧路での借りをしっかり覚えている谷垣、義理堅い。
杉元には借りは返せたが、自分がいなかった隙にインカㇻマッが瀕死の状態に。腹にはキロランケのマキリが‥。更に谷垣は第七師団に囲まれて、これはもう詰んだと思ったけど、ぜんぜん詰んでなかった。
杉元もインカㇻマッも生きてたし、家長も捕まったが元気に医者やってる。第七師団は利用価値さえあれば生かしてくれる組織のようだ。よ、よかった。
一方、アシㇼパサイドはお通夜状態。杉元は頭を撃ち抜かれたにも関わらずピンピンしてるが、尾形に死んだことにされてアシㇼパは意気消沈。最悪の雰囲気で樺太へ向かう。
- 土方、牛山、門倉、夏太郎、都丹は地下室に隠れていた。みんな一命を取り留める。第七師団が去ったら脱出するつもりだ。地下室には囚人の情報が残されていた。これは思わぬ収穫。
- 鶴見中尉が言うには、キロランケ達は樺太に向かってパルチザンと合流する可能性が高い。アシㇼパがパルチザンの手に渡ると厄介だ。杉元は鶴見中尉と交渉。杉元、谷垣、月島軍曹、鯉登少尉の4人で樺太へ向かうことになった。
舞台は樺太へ。行きの船で杉元は鯉登パパに武人の父親論を語られる。“我が子可愛さに戦地から遠ざけるのは、戦死した子どもの親御さんに申し訳が立たない。戦えと促すならまず我が子を先頭に立たすのが筋”というのが鯉登パパの言い分で、のっぺらぼうもそうであるはずだと鯉登パパは言う。
人格者すぎて感動。敵対関係にあったのっぺらぼうの気持ちまで慮るほどの懐が深さ。そして乃木希典を思い出した。
乃木希典は旅順攻囲戦の指揮した陸軍軍人で、立場的には鯉登パパより花沢中将に近いんだけど、日露戦争において多くの兵士を無駄に死なせてしまったことを心底から悔い、生涯にわたって自責の念に苛まれ続けていたと言われていて、戦死者の遺族に以下のような言葉を述べている。
「乃木があなた方の子弟を殺したにほかならず、その罪は割腹してでも謝罪すべきですが、今はまだ死すべき時ではないので、他日、私が一命を国に捧げるときもあるでしょうから、そのとき乃木が謝罪したものと思って下さい」
“戦死した子どもの親御さんに申し訳が立たない。”という鯉登パパもこういう気持ちなのではないかと。たくさんの兵士を亡くしているからこそたどり着く境地のようなものじゃないかな。鯉登パパはすでに息子を一人戦争で亡くしてくるから言葉に重みを感じる。
- 樺太到着。チカパシとリュウが荷物に紛れて着いてきていた。谷垣の責任で二人とも連れて行くことに。
- 杉元と鯉登少尉の喧嘩が勃発するなどトラブルがあったが、聞き込みの成果があり、アイヌの女の子の目撃情報を得る。
- 目撃証言は樺太アイヌの少女のことだったが、その少女から「北海道アイヌの女の子」の話を聞けそうになる。しかしその時、猛獣クズリが現れた!
樺太到着後、いきなり揉める杉元と鯉登。しかしこれは少尉が悪いね。杉元は一刻でも早くアシㇼパを探したいのに鯉登は呑気すぎるんよ‥。鯉登推しの私も思わずイライラしちゃった。
目撃証言を聞いた途端、走り出す杉元。これだけ必死でアシㇼパさんを探してくれてめちゃくちゃ嬉しい。もうどう見てもアシㇼパさんと梅ちゃんの優先順位入れ替わってるよね。それどころかアシㇼパさん>>>埋められない壁>>>梅ちゃん>>>その他。って感じ。
そして鯉登少尉がクズリに襲われ14巻は終了。
スクロールで表全体が見れます。
枚数 | 囚人 | |
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杉元勢 | 9枚 | 白石由竹、後藤竹千代、笠原勘次郎、二瓶鉄造、辺見和雄、若山輝一郎、鈴川写し、姉畑支遁、都丹写し |
土方勢 | 9枚 | 土方歳三、牛山辰馬、白石写し、家永カノ、宝井哲夫、偽物2枚、鈴川写し、都丹写し |
第七師団 | 17枚 | 津山陸男、船橋荘六、偽物4枚、鈴川聖紘、白石複製、坂本慶一郎、後藤竹千代、笠原勘次郎、二瓶鉄造、辺見和雄、若山輝一郎、鈴川写し、姉畑支遁、都丹写し |
杉元勢の刺青人皮は全て鶴見中尉に奪われてしまい第七師団が一気に有利に。19話の「今日はやめておこう」は大正解。杉元一味に刺青を探させた方が間違いなく効率的だった。
話数 | 料理名 | 詳細 |
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第140話 | フレップワイン | フレップ(コケモモ)のワイン。樺太の特産物。 |
今回はバトルシーンが多すぎてグルメは少なめ。次巻からに期待です。