- 姉畑はヒグマを探して彷徨っていた。ヒグマの糞を見つけた姉畑は、松の枝を蓑のように着て巣穴に飛び込みヒグマを巣穴から追い出す作戦を思いつく。糞を体に塗りたぐり、いざ行かん!
- 杉元とアシリパは姉畑を探すが、なかなか見つからない。そんな時、二瓶鉄造の秋田犬リュウが現れた。リュウは二瓶の忘れ形見の銃を追いかけてここまで来たらしい。姉畑が二瓶の銃を持っているならリュウの嗅覚で姉畑を見つけられるかもしれない。
姉畑が糞を体に塗りたぐるシーンは、コマンドーパロディ。金カムの中で1番笑ったオマージュかも。このシーンでシュワちゃん使う?笑
アシㇼパが尾形に谷垣のことをお願いするシーンは熱いですね。アシㇼパと尾形、尾形と谷垣、どちらの信頼度もアップ。横の繋がりが深くなるのはいいことだ。
リュウの健気さに感動する杉元だが、手を噛まれた途端に「バカ犬あっちいけ」は笑う。実際にもこういうやつおる。w
- 尾形はアシリパに頼まれていたので、谷垣の拘束を解いてコタンから逃走。
- 杉元、アシリパはリュウのアシストで姉畑を発見。姉畑は既にヒグマを見つけて抱きついていた。アシリパは毒矢でヒグマを倒そうとするが、ヤチマナコ(谷地眼)に落ちてしまう。つられて杉元も落ちて銃が壊れる。アシリパの毒矢の毒も水で剥がれてしまった。
- またもや杉元が谷地眼に落ちてピンチ。水面に出た途端にヒグマに殴られたら終わりだ。アシリパは杉元を救うため、苦手なヘビを鷲掴みにしてヒグマへ投げた。ヒグマが驚いてひるんだその瞬間、姉畑がついにやりやがった。
最後のシーンを初めて見た時の衝撃は忘れられない。きっとゴールデンカムイの全ての読者が同じ気持ちだろう。まさか本当にやってのけるとは‥。
というか、世界が姉畑を後押ししているとしか思えない展開だった。アシㇼパの毒矢も杉元の銃も使えない状況になり、不死身の杉元はヤチマナコの中。こんなの運命が姉畑の味方してるじゃん。
ただ、残念だけど、動物好きとしては姉畑は好きになれないんだよなぁ。ヒグマと愛し合ってるならまだしも、ヒグマはどう見ても嫌がってる。同意なしの行為はダメ絶対。しかも姉畑は行為のあと動物を殺すのがセットだから尚さら許せない。ズーフィリアは妄想するのは自由だけど実行したら終わりだよ。

杉元を助けるために蛇をぶん投げるアシㇼパちゃんには感動した。
- 杉元は丸腰でヒグマと姉畑に向かって走り、熊の近くに落ちたアシリパの毒矢の残りを拾う。しかし、姉畑は興奮で腹上死していた。杉元はそのままヒグマに毒矢を刺しヒグマ死亡。谷垣の誤解も解け、姉畑の刺青もゲットした。
- 谷垣は、フチがインカラマッの占いで不安になっていることをアシリパに伝える。杉元はアシリパに一度帰ることを提案するが、アシリパは杉元の提案を断る。
コマンドーパロは笑ったし、谷地眼に落ちて銃と毒矢が使えなくなるという状況設定もおもしろかった。かなり好きなエピソードなのだが、姉畑が自分勝手なズーフィリアなのがマイナス点。
どうせ変態を描くなら愛のあるキャラにしてくれたらよかったのに‥。好き勝手やりちらかしたあと動物達を殺して、最後は勝手に満足して死ぬって、最悪過ぎんだろ。辺見や江渡貝くんのようにバックボーンも明かされていないし、姉畑にはサイテーな変態という印象しか残っていない。
蛇を触った手の匂いをみんなに嗅がせるアシㇼパちゃんは可愛かった。変態との温度差が激しすぎる。
そうそう。アシㇼパの母親が病気で死ぬ前にフチが予知夢を見ていたのは驚いた。占いを信じて死装束まで作るフチはセンシティブすぎるだろと思っていたが、娘が死ぬ夢を見て本当に病気で亡くなってしまったんなら、不安になるのも無理ないよなぁ‥。
- 谷垣は役目を果たすため、網走までアシリパに同行することになった。
- 杉元一同は、白石、インカラマッ、チカパシと合流し、釧路にあるアシリパのフチの妹のコタンに寄る。
- 姉畑がカムイを穢したことに責任を感じたアシリパは、海で1番偉いカムイの海亀を獲って丁寧に送りたいと言い出した。杉元と白石と共にクンネ・エチンケを獲ってオハウにして食べた。
キラウシによる昔話で10年以上前の二瓶鉄造が登場。村田銃は二瓶の息子が日清戦争で使っていたものらしい。
なんで二瓶の息子は日清戦争に行ったんだろ?当時は、嗣子なら徴兵は免除されると思うのだが、一人息子なのに戦争に行った理由が謎すぎる。二瓶は「兵士なんぞにならずに」と言ってたので、息子は自ら進んで戦争に行ったのかな?
背景がよく分からないけど、二瓶の悲しみは十分に伝わった。二瓶というキャラは死んでからも深みを増すな。
姉畑がやったことに責任を感じ、海亀を獲って丁寧に送りたいと言うアシㇼパちゃん。あんな変態のためにここまでしないといけないなんて‥。本当に迷惑な変態だわ。
- 谷垣とインカラマッが海辺で話しているとアイヌのおじいさんがラッコの肉をくれた。絶対に夫婦で食べるように言われる。
- バッタが大量発生。杉元、白石、尾形、谷垣は漁師が宿泊に使っている番屋に避難する。お腹が空いたので4人でラッコ鍋を食べる。しかし妙な雰囲気に。実はラッコの煮える匂いは欲情を刺激すると言われていた。そこに旭川から杉元たちを追ってキロランケもやってきて男五人に。
- インカㇻマッと二人きりで話す機会を窺っていたアシㇼパは、バッタの大群に困っていたインカㇻマッを船に誘う。インカㇻマッはアシㇼパの父親を殺したのはキロランケでのっぺらぼうはアシㇼパの父親ではないと話す。
伝説のラッコ回。
谷垣にスケベマタギという役割を与え出したのってこの辺りからだよね。しかもこの巻では男キャラの入浴シーンもあるし、セクシーな男を描くのがこの頃の野田カムイのトレンドだったんだろうか。
そしてずっと微妙な空気だったアシㇼパとインカㇻマッが二人きりに。野田先生、女同士のピリピリ感を描くのがうま過ぎる。アシㇼパがインカㇻマッをよく思ってないのはずっと伝わってたもんなぁ。
谷垣との旅でインカㇻマッが悪いやつじゃないってことは読者には伝わってるので、アシㇼパさんとも仲良くやってほしい。
- インカㇻマッは、アシㇼパにウイルクとの思い出話を話す。しかしアシㇼパは父親からインカㇻマッのことは一度も聞いたことがなかった。「ウイルクにとって私はまだ子どもでしたから忘れちゃったかもしれませんね」涙するインカㇻマッ。
- 男たちはラッコ鍋によるむらむらを相撲で解消。その後、ひとり小屋に残った谷垣の元にインカㇻマッがやってきてオウチする。
- キロランケと再会したアシㇼパは、単刀直入に父親を殺した犯人なのかどうか聞いてみる。インカㇻマッは証拠として馬券場で男たちの指紋を取っていた。キロランケの指紋がウイルク達が殺された現場に残された遺品についていた指紋と一致したという。
- 殺されたアイヌの遺品は鶴見中尉が管理しているはず。インカㇻマッは鶴見中尉と内通していた。キロランケは鶴見中尉がガセを流して仲間内で殺し合わせるのが狙いだと主張。
「ウイルクにとって私はまだ子どもでしたから忘れちゃったかもしれませんね」は、失恋したことある人類すべてが胸を痛める台詞。
しかもあんな表情されたらウイルクが酷い男に見えて仕方ない。
ウイルクはなぜアシㇼパにインカㇻマッの話を一度もしなかったのだろう?少女と行動を共にしていたことを娘には言えなかった説はあるが、この説でいくとウイルクとインカㇻマッは人には言えない仲だったということになってしまう。ただ単に忘れてただけにしても未成年に手を出してたにしてもウイルクは酷い。
アシㇼパは自分と杉元に置き換えて切なくなったようだが、杉元はウイルクとは絶対に違う。仮にアシㇼパさんと別々の道を行くことがあったとしても、色々なことを教えてくれた相棒をなかったことにしないだろう。
- 116話からの流れで雰囲気は悪いが、当初の計画通り網走監獄へ向かう。
- 夏太郎は土方らと合流。賭場でゲットした刺青人皮を土方に渡す。しかし第七師団にあとをつけられていたようだ。刺青人皮も偽物の可能性が高い。
- 第七師団の宇佐美上等兵は、網走監獄の看守として潜入していたが、門倉看守部長に見破られてしまう。門倉は犬童に宇佐美の始末を命じられる。
キロランケとインカㇻマッ。どちらかが死んだら残った方を自分が殺すと言って爆笑してる杉元、怖ぇ。不死身の男が言ったらマジで洒落にならん。
117話では、門倉と宇佐美が登場。
門倉はのちのち重要な役割を担う人物だが、基本ずっとこんな感じ。どんな時でもゆるーくマイペース。脱力系オヤジ好きにはたまらないキャラクターだ。
宇佐美は初登場では想像がつかないが、刺青の囚人達に負けないくらいの変態。初登場時から顔と性格が変わったランキングがあるなら、たぶん宇佐美が1位。
- 門倉は囚人を使って宇佐美を殺そうとするが、宇佐美の戦闘力は強く囚人は返り討ちに。宇佐美は逃亡。門倉は犬童に宇佐美を処理したと報告する。
- 夏太郎は後をつけてきた第七師団の残党をきっちり処理。しっかりと自分の尻拭いをした。
- 土方、永倉は新聞記者をしていた石川啄木を訪ねる。
- 杉元らは、塘路湖付近のアシㇼパの親戚のコタンに身を寄せ、そこで盲目の盗賊の話を聞く。彼らは皆んな目が見えず暗闇の中で戦う。襲われた時にラッチャッコの灯りで姿を見た者によれば、盗賊の親玉の上半身には奇妙な刺青があったという。
宇佐美に逃げられたのに「殺した」と報告してしまう門倉。笑
初読ではこのいい加減さに驚かされたが、門倉の本当のボスは犬童ではなく土方なので、勝てない喧嘩を避けたいのは分かる。まぁ本当のボスの下でもたいして役に立ってなかったけど。
一方、刺青人皮の偽物を掴まされた挙句、第七師団の追手まで連れてきた夏太郎は、追手の残党を待ち伏せして射殺。この短期間で成長する若さ。素晴らしい!門倉の後にこれやられると余計に夏太郎がいい子に見える。
しかしこの夏太郎の活躍はアニメでは全カットされてるんだよなぁ。存在自体カットされている場面もたくさんあって残念。
- 盲目の盗賊の親玉は、都丹庵士という硫黄山で苦役させられていた囚人。硫黄山のガスで失明し、その後、のっぺらぼうに刺青を掘られた。
- 杉元らは、都丹庵士を探しに北に60キロ移動して屈斜路湖へ向かう。
明治時代、網走監獄の囚人が苦役させられていたのは有名な話。『網走番外地』や『北の螢』など有名な映画もあるので、未見の人には見てほしい。こういった映画が好きな読者は、都丹庵士のエピソード好きなんじゃないかな。たぶんラッコ鍋とかよりこっち見たいでしょ。
白石の話によると、硫黄山のガスによって視力を失った網走の囚人は、殺されるらしい。都丹の仲間達は、殺される前に硫黄山から抜け出した囚人たちだと白石は言う。囚人の扱いが想像以上にエグい。罪状によっては可哀想すぎる。こういうのは辺見や津山などの大量殺人犯にやらせてほしい‥。凶悪犯すぎて治安が乱れそうだが。
- 盗賊たちは、用心深く新月の夜にしか村を襲わないらしい。杉元たちは新月まで待っていられないので、和人が経営する温泉宿で聞き込みを行うことに。
- 男達が温泉に浸かっていると盗賊達が現れた。白石が都丹庵士を確認するが、すぐに灯を消され暗闇になってしまう。真っ暗で目が見えない中、どうやって戦う!?しかもフリチンで。
昼間に奇襲をかける気満々の杉元一同。盲目の人たち相手にひどくないか?と思ってしまったが、強さを認めてるからこその考え。
そして例の入浴シーン。青年誌で男性キャラの入浴シーンって誰得なんだ‥。誤解してる男性読者も多いと思うが、女性には異性の入浴シーンが見たいという概念はない。つまりこいつらが脱いだところで誰が得をするのか分からない。もう野田カムイの趣味としか。←
男達のフリチンや都丹の襲撃など色々あった120話だが、ボッケをボッキと聞き間違える谷垣が1番のハイライト。照れた顔が可愛いかった。
スクロールすると表全体が見れます。
枚数 | 囚人 | |
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杉元勢 | 8枚 | 白石由竹、後藤竹千代、笠原勘次郎、二瓶鉄造、辺見和雄、若山輝一郎、鈴川写し、姉畑支遁 |
土方勢 | 8枚 | 土方歳三、牛山辰馬、白石写し、家永カノ、宝井哲夫、偽物2枚、鈴川写し |
第七師団 | 9枚 | 津山陸男、船橋荘六、偽物4枚、鈴川聖紘、白石複製、坂本慶一郎 |
杉元勢は姉畑支遁の刺青人皮をゲット。土方勢は夏太郎が賭場から持ち帰った偽物刺青人皮をゲットするも、僅差だがまだ第七師団がリード。さらに第七師団は偽物の見分け方も分かっているので厄介。
話数 | 料理名 | 詳細 |
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第113話 | トノト | きびなどで作ったお酒。釧路方面なら馬鈴薯や麦などからも作られた。 |
第114話 | キムンカムイのオハウ | 姉畑とウコチャヌプコロしたヒグマの汁物。 |
第114話 | クンネ・エチンケのオハウ | アオウミガメの汁物。 |
第115話 | ラッコ鍋 | ラッコの煮える匂いは欲情を刺激すると言われている。 |
ヒグマのオハウを勧められて、姉畑のウコチャヌプコロシーンを回想してお断りしたってことは、姉畑とやったヒグマは食べたくなかったってこと?😠人間を犯したクマならダメだけど犯されたクマなんだからウェンカムイ要素はゼロ。むしろ被害者じゃん‥。おいしく食べてさしあげろ😡