ゴールデンカムイ11巻は、稲妻強盗、姉畑支遁と囚人が二人も登場。しかもどちらも愛する相手とウコチャヌプコロをしているという共通点が。愛の11巻。
- 杉元達は、追手を巻くついでに十勝方面へ下山して釧路に寄ることにする。鈴川から釧路に刺青に囚人がいるという情報を得ていた。
- 鯉登少尉は白石を逃したことを鶴見中尉に謝罪。白石の刺青は写してあることと鈴川の刺青も剥いだことを伝える。鯉登は鶴見中尉に小樽で囚人狩りに参加するように命じられる。
鯉登少尉のキャラ炸裂。
緊張しすぎて早口の薩摩弁になり、月島軍曹の通訳がないとまともに会話もできない鯉登少尉‥‥江渡貝くん並みの鶴見ガチ勢だった。
ここまでくると憧れの上司通り越して推し活してるヲタクだよなぁ。小樽で囚人狩りに参加できると分かった時の表情とかまさにこれ。好きな作品のアニメ化が決定した時のお前らと一致。
- 谷垣はアシㇼパの叔父から電報を受け取る。電報にはフチが死装束を作っていることが書いてあった。谷垣とチカパシは必ずアシリパをフチの元に連れて帰ると誓う。
- 「稲妻強盗」こと坂本慶一郎と「蝮のお銀」夫婦登場。稲妻夫婦は銀行や郵便局を襲う強盗犯。夫婦の犯行は十年以上続いたが、空白の期間がある。坂本慶一郎は捕まり網走監獄に収監されていた。そして先日、脱獄。坂本慶一郎は刺青の囚人だった。
稲妻強盗のエピソードかなり好きなんだけど、アニメでは全カットされている。OVAでいいからアニメ化してくれないかな。
稲妻夫婦は一種の夫婦の理想像。恋愛や結婚は価値観が違う人間同士がすると地獄だが、なかなか他人に理解してもらえない悪党同士が出逢って結婚するのは奇跡すぎる。この二人はガチのソウルメイトだと思う。
ちなみに金カム女性キャラの裸の描写はお銀とソフィアのみ。野田カムイって谷垣にはセクハラし放題なのに、女キャラ絡みのラッキースケベが少なすぎるよね‥。カップルの描き方も親分と姫と稲妻夫婦じゃ全然違うし。珍しい作品だ。
- 尾形過去編。尾形は元第七師団長花沢中将の妾の子ども。父は浅草の芸者だった母とその子どもを疎ましく感じ、本妻との間に男児が生まれてから母の元にぱったり来なくなった。母は頭がおかしくなり、尾形は母に殺鼠剤を飲ませて殺害。そして軍に入り、戦争から戻ると鶴見の指示で父親である第七師団長花沢中将を自殺に見せかけ殺害した。父親が死ぬ直前、尾形は腹違いの弟・花沢勇作少尉を二○三高地で殺したことを暴露した。
- 刺青の囚人である稲妻夫婦が動き出したことを知った鶴見中尉勢は、稲妻夫婦を誘き寄せるため、江渡貝くんの偽物刺青人皮を賭場に持ち込む。
尾形の過去回。想像以上に病んでてビックリした。
母親に殺鼠剤を飲ませた!?花沢中将は自刃じゃなくて尾形が殺した!?腹違いの弟の後頭部を撃ち抜いた!?ミステリアスキャラだとは思っていたけど、ここまでやっちゃってるとは。
しかし殺された尾形の両親には全く同情できない。
世間体を気にするなら子ども出来るようなことするなよ、としか。自分が撒いた種なんだから最後まで責任持てよ‥。母親も病むのは分かるが、子どもには罪はない。尾形にもっと愛情を注いで欲しかったな。とにかく二人ともとんでもない毒親。
勇作は「一人っ子育ちでずっと兄弟が欲しかった」と尾形を「兄様」と呼びはじめたそうだが、どのタイミングで尾形が腹違いの兄だと教えてもらったんだろ。花沢中将はどういうつもりで今さら昔の愛人の子どもが軍にいるって教えたんでしょうね。花沢中将のやることなすこと理解できない。
- 東松屋商店という賭場に刺青人皮が持ち込まれた。夏太郎と亀蔵は、刺青人皮を奪いに行くが、店の前で稲妻夫婦に出会う。夏太郎とお銀が顔見知りだったため、急遽4人で刺青強奪を行うことに。
- アシㇼパはヘビが苦手。アイヌに伝わるサクソモアアイエプという噛まれると全身が腫れ上がる蛇の話をするアシリパ。杉元と白石は全く信じていなかったが、座っていた倒木が急に無くなる。倒木こそが巨大蛇だった。急いで逃げる一同。
鶴見中尉は、偽物の刺青人皮を稲妻夫婦を誘き寄せる餌に使ったが、土方や杉元が引っかかる可能性も十分あったよね。杉元勢VS第七師団in賭場もちょっと見てみたかった。
一方、杉元達は巨大蛇と遭遇。蛇って変温動物だから北海道には少ないと思ってた。
アシリパさんが蛇を苦手なのは意外だが、やっと年相応の女の子に見えた。アシㇼパさんにも苦手なモノがあるのは何だか安心。
- 賭場の営業中に堂々と刺青人皮強盗に入る稲妻夫婦(と夏太郎と亀蔵)。お銀は刺青人皮をゲットするが、これは第七師団の罠で稲妻夫婦は包囲されてしまう。
- お銀と夏太郎は、階段から食用油をばら撒き第七師団を足止め。稲妻は亀蔵を盾にして鶴見中尉の銃弾を回避する。
鶴見中尉の登場の仕方はレオンのパロディ。めちゃくちゃカッコいい登場の仕方だった。
そして亀蔵、死亡(´;ω;`)
慶一郎が平気な顔で亀蔵を楯にするの怖っ。やっぱりこの人たち悪党だわ。
- 建物は入り込んでいる上に階段が多い。稲妻夫婦を探すのは一苦労なので、第七師団は煙で稲妻夫婦を燻り出すことにする。
- 夏太郎は配膳用の昇降機から逃げる手を提案。しかし稲妻はデカくて通れないので、二手に別れることに。逃走する稲妻を鯉登少尉が追う。「稲妻強盗」とは稲妻のように敏速に逃げ回るから着いた呼び名。稲妻の敏速さにさすがの鯉登少尉もヘバったその時、鯉登少尉の銃声を道標に鶴見中尉が機関銃と共に現れた。
油で滑る鯉登、月島、二階堂オモロすぎた。
稲妻との戦闘で唯一カッコよかったのは月島。稲妻をぶん殴り顔の皮を剣で刺すってすげぇ。そのあと稲妻に階段へ突き落とされるが、二階堂の義足の仕込み銃で反撃。二階堂にも見せ場を作るし、月島さすがすぎる!
鯉登は、戦闘では特に見せ場はなかったが、稲妻のように敏速に逃げ回る稲妻強盗をしつこく追いかける足がすごかった。鯉登って初登場でも窓から逃げた杉元達に追いついたし、ほんと脚早いよな。
106話は第七師団の見せ場があって師団推しとしては良かった回。
- 夏太郎とお銀が約束の場所に到着した瞬間、稲妻は鶴見の機関銃で撃たれ死亡。お銀は稲妻に駆け寄り、鶴見を殺そうとするが、鯉登に首を斬り落とされて絶命。第七師団が刺青人皮だと疑っていたお銀の荷物の中身は赤ん坊だった。
- お銀が賭場で手に入れた刺青人皮は夏太郎の手に渡った。
第七師団、稲妻強盗の刺青ゲット。
鯉登くんがお銀の首を斬り落としたのは衝撃だった。鯉登は鶴見中尉の前だと乙女なのに、躊躇なく人を殺すよね。可愛くても軍人は軍人だわ。←
ぶっちゃけ、稲妻夫婦も第七師団もどっちも善良人ではないよな‥。一般市民を殺してない第七師団の方がマシってだけで、大日本帝国陸軍だもんね‥。
稲妻夫婦の子どもはアシリパのフチに預けられた。「信頼できる人間に託さないと」で、フチに預けるっていう鶴見はちょっと厚かましいな。敵対する勢力に所属する(ついでにのっぺらぼうの娘の)アシリパの身内に押し付けるなんて。まぁ鶴見は稲妻の子どもに思い入れもないし、アイヌは子どもを大切にしてくるからっていう安易な考えなんだろうけども。
- 杉元、アシリパ、白石、尾形は丹頂鶴を獲って食べていた。杉元の”金塊が欲しい目的はウメちゃんの目の治療費のため”だということと尾形の「惚れた女のためってのはその未亡人のことか」という言葉に反応したアシリパは、急に鶴の舞を踊り始める。
- 杉元一同は、インカラマッとチカパシと合流。しかし谷垣は、家畜や野生の鹿を襲う「カムイを穢す人間」と勘違いされ地元のアイヌに追われているという。
急に鶴の舞を踊り出すアシリパ。何度読んでも胸が痛い。
「惚れた女」の話になった途端、踊り出すアシリパはどう考えても杉元を好きだよね。杉元は鈍ちん。心が欠けた人間・尾形ですら気づいているというのに。
そして谷垣達はやっとアシリパたちに追いつくが、谷垣が「カムイを穢す人間」と間違われて追いかけられるという事態に。次回、作中きっての変態・姉畑支遁が登場します。
- インカラマッが言うには、三人は山で動物好きの男と出会った。男は姉畑支遁という北海道の動植物を調査している学者だった。チカパシが男に懐いたのでインカラマッと谷垣は油断した。その日、三人は姉畑と野宿した。次の日、目を覚ますと姉畑は村田銃と消えていた。村田銃が新たな犠牲に使われ谷垣が追われることになったらしい。
- 姉畑は鈴川が言っていた情報と一致した。「カムイを穢す人間」の真犯人が刺青の囚人と見て間違いないだろう。
- 追手から逃げていた谷垣は、ついに地元のアイヌに追い詰められる。そこに尾形が登場。
「カムイを穢す人間」「ウコチャヌプコロ」(お互いを知る・覚える)などの言葉で誤魔化されているが、姉畑支遁は動物とヤる変態です。
ゴールデンカムイはたくさんの変態が出てくるが、姉畑は辺見と上位争いをするくらいの異常者。野田カムイはこんな変態をどうやって思いついたのだろう?
姉畑の名前はおそらく動物学者のアーネスト・トンプソン・シートンからとっているが、シートン先生は姉畑のような変態行為は絶対にしない。二瓶鉄造のモデルも山本兵吉だと言われているが、犯罪者じゃない人を囚人のモデルにするのはあんまり良くない気が‥。
- 尾形と地元アイヌが撃ち合いになる前に、谷垣はコタンへ連れて行かれた。杉元とアシリパは山で出会った地元アイヌのキラウシに「犯人が捕まった」と教えてもらい一緒にコタンへ行く。
- 杉元は地元アイヌたちに真犯人を捕まえるから谷垣への刑罰は待って欲しいと交渉。キラウシが三日間の猶予をくれた。
- 谷垣は杉元達に姉畑がヒグマに興味津々だったことを伝える。ヒグマとウコチャヌプコロしよとしたら刺青が食われてしまう!急ぐ杉元たち。
この頃の尾形と谷垣の微妙な関係性いいね。45話の谷垣VS尾形は、ゴールデンカムイのバトルシーンの中でかなり好きな戦い。この二人がバチバチなのはアツいです。
アシリパは89話のこともあり、杉元が暴れないか心配のようだ。そういえば、杉元がアシリパさんの前で暴れたのはこの時点では89話だけだっけ?
辺見との戦いはシャチに邪魔され、二瓶鉄造はレタラの妻に若山親分はヒグマにやられた。二階堂浩平や江渡貝邸での戦いはアシリパちゃん見てないもんね‥。まぁ確かに89話の暴れっぷりは怖かったけど、読者はアシリパさんの危険が杉元暴走のトリガーになってるのを知ってるからそんなに不安はない。

死ぬ時まで一緒の稲妻夫婦。杉元の惚れた女の話を聞いて嫉妬するアシリパ。動物が大好きな姉畑‥‥11巻は恋愛要素多めでしたな。
枚数 | 囚人名 | |
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杉元勢 | 7枚 | 白石由竹、後藤竹千代、笠原勘次郎、二瓶鉄造、辺見和雄、若山輝一郎、鈴川写し |
土方勢 | 7枚 | 土方歳三、牛山辰馬、白石写し、家永カノ、宝井哲夫、偽物1枚、鈴川写し |
第七師団 | 9枚 | 津山陸男、船橋荘六、偽物4枚、鈴川聖紘、白石複製、坂本慶一郎 |
第七師団は、白石の刺青の写しと鈴川の刺青人皮をゲット。稲妻強盗(坂本慶一郎)を殺害してさらにもう1枚ゲット。鶴見中尉の勢いが止まらない。稲妻夫婦を誘き寄せるために偽物の刺青人皮を使ったので偽物はマイナス1枚。この偽物は夏太郎の手に渡ったが、まだ持ち帰ってないのでカウントしてない。
11巻でのアイヌグルメは特になし。丹頂鶴の鍋を食べるが、美味しくなさそう。作り方についても特に解説はなかった。