ゴールデンカムイのためにブログ開設したので、全巻レビューを書こうと思う。
まずは1巻から1話ずつ考察していく。
全文ネタバレありなので未読の人は閲覧禁止。
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- 杉元佐一、北海道小樽近辺で砂金取りをはじめる。後藤竹千代からアイヌの埋蔵金と刺青の囚人の話を聞くが、その直後に後藤がヒグマに襲われ死亡。
- 杉元、アイヌの少女・アシリパと出会う。後藤の刺青人皮をヒグマから守るため、アシリパの力を借りることにする。
記念すべきゴールデンカムイ第一話。
杉元とアシリパの運命の邂逅。そして、金塊争奪戦の始まり。これからの出来事にワクワクが止まらない1話だった。が、まずはヒグマを倒すことを考えなくては。
しょっぱなから恐ろしいのが、アシリパが毒矢で殺したヒグマとは別のヒグマが後藤を殺したということ。この時期(二月)に肉が食えるヒグマはマタカリプ(冬徘徊するもの)という凶暴なヒグマらしいのだ。
冬眠を忘れたヒグマが凶暴化する話といえば『三毛別羆事件』(実話)を思い浮かべる。この話をウィキペディアで知った時は恐怖で夜しか眠れなかった。
そんなマタカリプを前にして1話は終わる。

初登場時のアシㇼパさんの顔が最終回と全然違ってビックリ。
- アシリパのピンチにエゾオオカミ登場。ヒグマが狼に気を取られてる間、杉元はヒグマの肩甲骨を射撃。そのまま覆いかぶさってきたのでヒグマの体重を利用して銃剣で心臓を串刺してヒグマに勝つ。
- 杉元はアシリパに金塊を探すのに知恵を貸してほしいと頼む。
杉元、ヒグマに勝利!
咄嗟の判断でヒグマの体重を利用して心臓を串刺しにする判断が出来る杉元はすごい。
このヒグマとの戦いでゴールデンカムイにハマった人も多いんじゃないだろうか。何回見ても鳥肌の立つかっこよさ。

余談だがヒグマ漫画が読みたい人には
『野性伝説 羆風・飴色角と三本指』
『シャトゥーン~ヒグマの森~』がオススメ。
ヒグマを倒した後、杉元はアシリパに金塊を探すのに知恵を貸してほしいと頼む。
12歳くらいの女の子に協力を頼むなんて正気か?と思うところだが、この短期間でアシㇼパさんのすごさは全読者が知っている。ヒグマに対する知識の豊富さや囚人に彫られた刺青が毛皮を剥ぐときの切り込みと同じ位置で途切れているとすぐに気がつく洞察力。こんなの大人でもかなわねぇ。
全話読み終えた今としては、初期の方が杉元はアシリパを1人の人間として尊重していた気がする。話が進むに連れて杉元はアシリパを保護対象として見るようになるので(モンペ度が増す)、初期の頃は懐かしい。
- 杉元とアシリパは街で刺青人皮の聞き込みを行う。そんな2人の噂を耳にした囚人があとをつけてきたところをくくり罠で捕獲。
ヒグマ撃退から一旦落ち着く第3話だが、冒頭に出てきたくくり罠をラストの落ちに使うところは絶妙な伏線。
1話と2話はインパクトが強い話だったが、3話では細かい部分にもしっかり伏線を入れてくる野田カムイの器用さを垣間見た。
- 杉元とアシリパは、刺青の囚人・笠原勘次郎を捕らえて、刺青を書き写す。笠原によれば囚人に刺青を掘った男は『のっぺら坊』と呼ばれていて顔がなかったという。
- 突然、笠原が何者かに撃たれ死亡。撃ったのは第七師団の兵士だった。
第4話では、笠原から囚人の親玉が激強だということと、囚人に刺青を掘った男が『のっぺら坊』という情報を得る。
色々と教えてくれた笠原だったが、何者か(尾形)に狙撃されて死亡。後藤といい初期の囚人は瞬殺されちゃって可哀想である。後藤は殺人とかしてたからまぁ仕方ないとして、笠原は罪状未確認。白石や岩息のように殺人までしてない囚人だったら可哀想すぎる。
そして尾形初登場!!
初登場時の尾形は‥髪型と目が全然違いますな。アシリパ並みにビジュアル変化したキャラじゃないかと。
- 杉元は兵士(尾形)にトドメを刺そうとするが、アシリパに名前を呼ばれて躊躇。この時、兵士に杉元が「不死身の杉元」だとバレる。兵士は一瞬の隙に逃亡するが、杉元がぶん投げた銃が頭に直撃し崖から落ちる。
- 杉元、アシリパに教わって初めての「チタタプ」。オハウを食べて初「ヒンナ」。
見た目は変わってしまったが、射撃の腕と接近戦の弱さは初期から変わらない尾形。笑
ゴールデンカムイは化け物級に強いキャラが多いけど、尾形は本当に弱いと思う←。5話では杉元相手だから仕方ないとしても、後々モブ兵士にも殴られたりしてたし‥やはり狙撃手は接近戦苦手な人多いのかね。
尾形を崖に落とした後は、杉元はアシリパさんと初「チタタプ」。そして初「ヒンナ」。
チタタプはアイヌ語で「我々で細かく叩いたもの」、ヒンナは「感謝」する言葉である。
ヒンナはゴールデンカムイの中で最も多く出てくるアイヌ語だが、食事のタイミングで出てくることが多く「ヒンナ」=「美味しい」と勘違いしている読者も多そう。実は私も初読でサラッと読んでた時は勘違いをしていた。
- 囚人・白石由竹がくくり罠にかかった。
- 杉元の過去が明らかになる。
- 杉元とアシリパがウサギ狩りをしている間にシライシが拘束を解いて逃亡。白石は脱獄王の異名を持つ脱獄の天才だった。
- 逃げる白石を追いかける杉元。そんな時にニシプフム(木が凍結して裂ける音)が起こり、杉元と白石にマイナス30度の猛烈な冷気が襲いかかる。
ゴールデンカムイでは差別などの直接的な描写は少なめなのだが、1巻では1番そういった描写があるかもしれない。
特に白石がアシリパさんを見て杉元に言った「お前さんの飼いイヌかい?」は作中一ひどいんじゃないだろうか。
杉元は白石の顎を砕く寸前まで掴んでお仕置きするが、そんな杉元も家族の病気が理由で村八分にされた過去があった。
ここで過去を思い出すということは、杉元は差別されているアシリパさんと自分を重ねているのだろうか?
自分も村八分にされた経験があるからアイヌに共感するというのは、個人的には少々強引な設定な気がするのだが、目の前で相棒が失礼なことを言われたので差別された記憶がフレッシュバックしたってことならまぁ理解できる。
わたしは感染症患者への差別と民族差別は別物だと思ってるので、杉元が自分の過去とアシリパの境遇を重ねてるっていう解釈はできない。そもそも杉元がそんな繊細な性格ならアシリパより疱瘡で家族全員を亡くしたチカパシに共感しているはずだ。
杉元には、差別が許せないとか自分と似てるから庇うとかそういう理屈っぽいことよりも、友達をバカにされたからぶっ飛ばすくらいのスタンスがしっくりくる。
- ニシプフムによって川に落ちてしまった杉元と白石。弾を取るために火を焚こうとするが、マッチは濡れて使えない。銃弾も川に落ちてしまった。
- 寒さの中、川に入って銃弾を探そうとする杉元に白石は【協力するから自分を見逃せ】と取引を持ちかける。取引は成立。白石は口の中に隠していた脱獄する時用の銃弾を取り出した。白石の銃弾のおかげで無事に火がつき暖がとれた。
- 杉元は白石から囚人は全部で24名。囚人の親玉は箱館戦争で戦死したと言われている土方歳三だということを聞く。
- 約束通り杉元は白石を逃した。
シライシの執念がスゴい。不死身の杉元ですら凍える寒さを我慢して取引成立まで粘るとは。絶対マネできないメンタル。笑
取引き成立後、ここで初めて白石から囚人の親玉が土方歳三だと聞かされるのだけど、これは興奮だった。
元兵隊の不死身の杉元、アイヌの少女とヒグマ狩り、刺青人皮を集め、金塊争奪戦‥‥これだけでもだいぶインパクトが強いのに土方歳三が生きていた!?!?よくこんなこと思いついたな。野田カムイは本当に天才。

以上。ゴールデンカムイ1巻のレビューを書いた。
もう10回以上読んだので新鮮な感想じゃないけど、考察たのしかった。
最後まで読んでくれた方ありがとうございました。
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