アニメゴールデンカムイ第四十二話『甘い嘘』を見たので感想を書く。
今回は、土方VS鶴見の頭脳戦、谷垣とチカパシ、月島と鯉登のあな救、酔っ払った勢いでいい事を言う白石など色々と詰め込んだ濃密な回だった。
軽率に原作のネタバレ発言します。アニメ組はネタバレ注意してネ!
脚本 | 谷村大四郎 |
絵コンテ | むらた雅彦 |
演出 | 砂土原武之 |
作画監督 | 山川拓己、相坂ナオキ、久恒直樹、吉原嘉奈子、二瓶令暁、壽 恵理子 |
OP | ALI「NEVER SAY GOODBYE feat. Mummy-D」 |
ED | THE SPELLBOUND「すべてがそこにありますように。」 |
杉元佐一 小林親弘
アシリパ 白石晴香
白石由竹 伊藤健太郎
鶴見中尉 大塚芳忠
土方歳三 中田譲治
尾形百之介 津田健次郎
谷垣源次郎 細谷佳正
永倉新八 菅生隆之
月島軍曹 竹本英史
鯉登音之進 小西克幸
宇佐美上等兵 松岡禎丞
菊田特務曹長 堀内賢雄
有古一等卒 水中雅章
都丹庵士 水島裕
夏太郎 羽多野渉
チカパシ 渡辺明乃
エノノカ 市ノ瀬加那
鯉登平二 大川透
ナレーション 立木文彦
大泊に向かう前に登別を訪れた鶴見中尉は、有古が持ち帰った都丹のものとされる刺青人皮を受け取る。だが、翌日になって有古が鶴見中尉の刺青人皮を奪って逃走。向かった先で、彼は死んだと思われていた都丹と合流する。一見、有古の裏切りに見えるこの行動には裏があった。有古と土方陣営の関係を見抜いた鶴見中尉が彼を脅迫し、わざと刺青人皮を持たせて二重スパイとして潜り込ませたのだ。巧妙な罠に対し、土方はどう動くッ!?
https://kamuy-anime.com/story/42.html
※以後アニメ視聴後の感想になります。未視聴の方はネタバレ注意※
※原作のネタバレあり。原作未読の方は注意してください※
アニカム第四十二話『甘い嘘』で起こった主な出来事はこんな感じ。
- 有古二重スパイ
- チカパシ離脱
- 月島「あなたたちは救われたじゃないですか」
- 怒りのシライシ
と、いろいろなことが起こった。
今回は原作の207話から211話の頭部分まで。原作訳4話相当なので話数的にはそんなに詰め込んでいる訳ではないのだが、文字数が多い話の組み合わせなのでいつもより濃密だった。
タイトルは月島鯉登メインの『甘い嘘』だったけど、登別サイドの方が尺が長かった気がする。原作208話のタイトル『限りなく黒に近い灰色』がタイトルでもよかったのでは?

仕方ないことだけど、詰め込みすぎ。
翌日、有古は鶴見中尉の刺青人皮を奪って逃走。死んだはずの都丹と合流して土方陣営へ刺青人皮を届けた。
しかしこれには裏があり、鶴見中尉は有古を二重スパイとして土方陣営へ潜り込ませた。有古が持ってきた刺青人皮はエドガイくんの作った偽物の刺青人皮だったのだ。
さらにこれには裏があり、土方は鶴見が刺青争奪戦に偽物を混ぜてくるとが分かっていた。剥製屋で見た人体剥製の数と一致する。偽物がばら撒かれる前に有古を使って回収するのが土方の狙いだった。
スパイがバレ、二重スパイもバレ、有古を使って高度な頭脳戦を繰り広げる鶴見と土方。原作で読んだ時も頭がこんがらがるくらいの騙し合いだった。
偽物を回収するために有古を使った土方の方が上手に見えるが、有古が持ってきた刺青人皮が全部偽物だと思ってる時点で鶴見を舐めすぎ。
原作全て読み終えた今思ってみると、偽物の刺青人皮で1番混乱するシーンはこの回が最高潮だったかも。
結果的に偽物に騙されて金塊のありかを間違えるなんてことはなく「偽物がこれだけ混じってました」ってな感じで答え合わせするだけだったもんな。
エドガイくん回で鶴見が「この刺青人皮争奪戦に大混乱を巻き起こすのだ」とか言ってたもんだからもっと期待してた。←
今回はアニカムでの鶴見と菊田の初絡み回でもあった。どうでもいいけど、大塚芳忠さんと堀内賢雄さんってどうしてもフルハウスを思い出してしまうんですよね。そういう人、私だけではないはず。
エノノカはチカパシと別れるのが辛くて号泣。
そんなエノノカを見たチカパシは犬ぞりから落ちてしまう。
なかなか犬ぞりへ戻ってこないチカパシ。そんなチカパシに谷垣は歩み寄り「お前はここに残って自分の本当の家族を作りなさい」と声をかける。
谷垣はチカパシに二瓶の銃を託し犬ぞりへ戻った。
私がゴールデンカムイで1番泣いたシーン。アニメで見れて感無量だが、漫画の方がよかった。←
金カム4期はちょいちょい演出が解釈違いなところがある。音楽とか間合いとかコレジャナイ感。その上、今回は話を詰め込みすぎよ‥。
3期までは作画がクソなところはあったけど、演出に不満はなかった。制作会社変わらなかった方がよかったかも。
鯉登少尉は、月島軍曹に尾形に亜港の病院で言われたことを話す。
尾形は鯉登に「バルチョーナク」「今度 鶴見中尉に会ったら満鉄のことを聞いてみろ」と言っていた。
尾形の父・花沢中将は満鉄の経営に反対していた。しかし花沢閣下が自刃したことにより満鉄の計画は突き進んだ。
鶴見中尉は「戦友たちは今も満州の冷たい土の下 満州が実質的に日本の地であれば彼らの骨は日本で眠っているのだ」と言っていた。花沢閣下の死に鶴見中尉が関わっているのではないかと鯉登は疑っている。
尾形が「満鉄」を仄めかしたのは、花沢閣下と尾形親子のように、鯉登親子も鶴見中尉に利用されていると知らしめるためではないのか?尾形は父親を死に追いやった中央に不満を持ち鶴見中尉の計画に加担していたが、どこが真実を知り謀反を起こしたと考えれば辻褄が合う。
誘拐劇は鯉登親子に恩を売り鯉登父の大湊水雷団を利用するために鶴見中尉が仕組んだことではないのか?鯉登は月島に尋ねるが、月島ははぐらかすばかり。
「直接本人に聞く!父親の前で全部明らかにさせる」
「あなたたちは救われたじゃないですか」
月島は鶴見に自分も同じようなことをやられたと告白。 しかし、自分には利用されて憤る価値はないので怒っていないと言う。
鶴見中尉が行こうとしている場所の途中に政権転覆や満州進出が必要不可欠なら彼についていってる人たちも救われる。それなら何の文句もないはずだと考えているようだ。
「私は鶴見劇場をかぶりつきで観たいんですよ 最後まで」
月島は鯉登に今聞いたことは胸に閉まっているように釘を刺す。さもないと鶴見中尉は鯉登を消す。そしてその汚れ仕事をするのは月島だと。
詰め込みすぎて超駆け足で進んだ『あな救』シーン。
原作読んでる時はてっきり夜だと思っていたが、がっつり夕方で驚いた。
竹本さんと小西さんの演技は素晴らしかったけど、もうちょっと間合いを持たせてほしかったかな。テンポはゆっくりめの方が好き。
このシーンの月島は、いきなり自分語りをはじめるし、ちょっといつもの月島と違うんよなー。いご草ちゃんのことも奉天会戦のことを知らない鯉登ちゃんになぜ野戦病院の話をするんだろう。マジで「何の話だ?」ですよ。
月島が言ってることを要約すると【騙されたとしても望んだ結果になるならいいじゃん】ってことなんだけど、だったらなんで「あなたたちは救われたじゃないですか」と自分語りをはじめるのだろうか?
おそらくだが、鯉登親子は騙されたけど親子関係修復して救われたし、尾形は利用されたけど父親に復讐できて救われたし、戦友たちは政権転覆や満州進出で救われる予定なのに、自分だけ救われてないってのが言いたいのでしょう。
結局いご草ちゃんは生死不明で救われてないもんな‥。情緒不安定になるもの仕方ない。
しかし情緒不安定なのは鯉登少尉も同じだ。憧れの人に利用されていたと知ってショックを受けてる中、部下に「私なんて〇〇されてます」と自分語りをされてたまったもんじゃないだろう。
情緒不安定になっている若者に被せて自分語りしてしまうほど月島軍曹も限界状態になっていたって訳か‥‥。
まぁ原作全部読み終わってから『あな救』シーンを見てもあなたもそのうち救われるんで安心してくださいって感想しか浮かんでこないですね。鶴見や尾形と比べると月島は救われすぎてますよ。
アシリパと樺太を旅した白石は、彼女の成長をそばで見ていた。杉元とアシリパは樺太でやっと再会できたのに離れたままだと。
「全部覚悟の上でアシリパちゃんが『アイヌを背負いたい』と言うなら背負わせりゃいいだろ!」
そして鶴見中尉がアイヌのことまで考えているはずはないと‥。白石は言いたいことだけ言って酔っ払って寝た。
ここが第四十二話で1番よかったかも。
原作でもグッときたが、伊藤健太郎さんの声で聞くとやっぱりいいね。解像度が上がった。
杉元と白石。どっちもアシリパさんのことを考えての意見だけど、杉元はアシリパさんを保護対象として白石はアシリパさんを自立した女性として見てるんだよね。
個人的には白石の意見に激しく同意だが、杉元の意見も間違ってはいない。
成長して自立した言ってもアシリパちゃんはまだ12か13なんで‥‥。アシリパちゃんが成人女性だったら杉元の過保護で終わる話だがやっぱり子どもは守ってあげてほしいわ‥。
しかし鶴見に交渉の余地があると思っているところは杉元の甘いところ。白石の言うように鶴見がアイヌのことまで考えてるはずがないんだよな〜。どうして鶴見がお願いを聞いてくれると思ったのか不思議て仕方がない。
次回は杉元一行がついに鶴見と対面。
鶴見中尉とアシリパが対峙するシーンは映像ではどうなるのか興味ある。
4期のクオリティ的に期待しすぎるとガッカリしそうだが、興奮して色々漏れ出す鶴見中尉がどう表現されるのは非常に気になる!あんまり期待せずに待機させてもらいます。
大泊で鶴見中尉と対面した杉元一行。もっともらしい口実でアシㇼパを杉元たちから引き離そうとする鶴見中尉だが、その魂胆に気づいたアシㇼパはアイヌの未来についての考えを問い、アイヌのために金塊が使われないのなら協力を拒むと言い放つ。彼女の態度に対し、額から髄液を垂らしながら笑い出す鶴見中尉。異様な光景を前に周囲の者がたじろぐ中、アシㇼパが空に向けて矢を放ち、彼女の意図を感じ取った杉元も行動を起こすッ!
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